Medical Writing Worksでは、ご利用者さまからの質問を募集中です!募集する質問や疑問のカテゴリーは以下の3つです。
- 医薬品やサプリメント、健康に良いとされるものの効果や安全性に関する疑問・質問
- 医学論文の読み方・活用の仕方、医療情報の検索に関する疑問・質問
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早速ご質問を頂きましたので回答させていただきます。今回は論文のアウトカム設定に関する疑問です。
前向きのランダム化比較試験では、いつもprimary endpoint、secondary endpointが設定されていますが、既存データを用いた後方視的研究でも同じようにprimary endpoint、secondary endpointを設定してmethodに記載した方が良いのでしょうか? 以前ある演者が後方視的研究結果を発表していた際にオーディエンスから、「後方視的研究ではprimary endpointとかsecondary endpointとかを設定するのはおかしい」と言われていたので、そうなのかなと思ったのですが、論文では後方視的研究でもmethodにprimary endpoint、secondary endpointを記載しているものを時々見かけるので、実際のところどうなのかなと思いました。
後方視的研究とは、既存のデータを用いた観察研究(後ろ向きコホート研究や症例対照研究など)と考えて良いでしょう。ちなみに、ランダム化比較試験におけるprimary endpoint、secondary endpointの区別とその重要性については、以下の記事をご参照いただけましたら幸いです。
【参考】一次アウトカムって何?-サンプル計算の概念と仮説検証的知見が意味するもの
【参考】臨床試験の被験者数の見積もり、サンプルサイズはどのように設計されますか?
【参考】不適切な多重検定(αインフレーション)を論文情報から読み解くコツ
観察研究においても、primary endpoint(以下、一次アウトカム)、secondary endpoint(以下、二次アウトカム)を設定している研究が少なくありません。この記事では、観察研究における一次アウトカムと二次アウトカムの区別やその意義について解説します。