臨床試験の被験者数の見積もり、サンプルサイズはどのように設計されますか?

臨床試験の被験者数の見積もり、サンプルサイズはどのように設計されますか?

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2023/2/20

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 早速ご質問を頂きましたので、回答させていただきます。今回は、臨床試験におけるサンプルサイズの計算(必要症例数の見積もり)に関する疑問です。
いつも大変参考にさせて頂いております。臨床試験におけるサンプルサイズ設計について(優位性を示すものと非劣勢を示すものと)教えて頂けると助かります。
 仮説検証型のランダム化比較試験において、サンプルサイズの計算が如何に重要かについては、以下の記事にもまとめてあります。
一次アウトカムって何?-サンプル計算の概念と仮説検証的知見が意味するもの一次アウトカムって何?-サンプル計算の概念と仮説検証的知見が意味するもの新型コロナウイルスの感染が拡大した当初、治療薬候補として関心を集めた薬の一つに イベルメクチン があります。駆虫薬として用いられてきた同薬ですが、2021年に新型コロナウイルス感染症に対する有効性を検証したランダム化比較試験が報告されました (Medina, et al.2021; PMID: 33662102) 。  解析の結果、症状の解消までの期間(中央値)は、 イベルメクチン投与群で10日 、 プラセボ投与群で12日 でした。症状消失に対するイベルメクチン投与群のハザード比は1.07 、95%信頼区間は0.87〜1.32と、 統計的有意な差を認めていません 。この結果をもってして、イベルメクチンに効果がないと結論して良いでしょうか。  確かに示されている結果に、統計学的に有意な差はありません。しかし、効果の「あり」/「なし」という判断は、 統計的に有意な差を基準 とするか、 臨床的に意味のある差を基準 とするかで大きく変わります。 【図1】主なランダム化比較試験の被験者数と相対危険減少  例えば、心血管イベントに対するエゼチミブの有効性を検証した IMPROVE-IT試験 では 18,144人 を対象にランダム化比較試験が実施され、結果として示されたハザード比は 0.936 [95%信頼区間 0.89~0.99 ](相対危険減少 6% )でした。  約18000人を対象に行われたこの研究は、予防的治療介入を検証したランダム化比較試験の中でも、かなり 大規模な研究 です。また、結果として示されている 95%信頼区間の幅が狭い ことにも注目しておくと良いかもしれません。 syuichiao.medy.jp
 この記事では、サンプルサイズの具体的な設計方法や、非劣勢試験におけるサンプルサイズの見積もりについて解説します。

サンプルサイズの設計における基本的な考え方

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