厚生労働省医薬の局医薬安全対策課は、2023年10月12日付の通知で、アセトアミノフェン含有製剤の製剤添付文書から、禁忌項目を削除するよう指示しました(医薬安発1012第2号.2023.10)。今回の改訂で、アセトアミノフェン含有製剤の添付文書から削除された禁忌は以下の5集団です。
- 消化性潰瘍のある患者
- 重篤な血液の異常のある患者
- 重篤な腎障害のある患者
- 重篤な心機能不全のある患者
- アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
このうち、消化性潰瘍のある患者(既往を含む)、血液の異常のある患者(既往を含む)、心機能の異常がある患者、気管支喘息のある患者については、添付文書の「特定の背景を有する患者に関する注意」の項目で注意喚起が行われ、重篤な腎障害のある患者(既往を含む)については、投与量の減量、投与間隔の延長を考慮するよう指示が追加されています。
また、アスピリン喘息のある患者(既往を含む)に対する1回あたりの最大用量は、アセトアミノフェンとして300mg以下とされました。
アセトアミノフェンは、抹消のシクロオキシゲナーゼ(COX)を強く阻害するNSAIDsと異なり、その鎮痛作用は主に中枢性だと考えられています。そのため、理論上は胃腸障害を生じにくい薬剤だといえるでしょう。
アセトアミノフェンの薬物有害事象については、過去の記事でもレビューしています。今回の記事では、アセトアミノフェンによる胃腸障害や消化性潰瘍のリスクについて、NSAIDsと比較も含めて考察したいと思います。
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