傾向スコアによる交絡補正の基本的な考え方と、方法論上の限界

傾向スコアによる交絡補正の基本的な考え方と、方法論上の限界

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2022/9/30

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傾向スコア(propensity score)を用いる解析には、Inverse probability of treatment weighting (IPTW)や、傾向スコアマッチング(propensity score matching)があります。これらの使い分けと結果の解釈について教えていただきたいです。
 ランダム化比較試験は、治療効果の検証を行う上で優れた研究デザインですが、莫大な時間とコストがかかります。一方、観察研究においては、ランダム化比較試験と比べて低コストかつ迅速な効果の推定が可能な研究デザインも少なくありません。
 また観察研究は、ランダム割付が倫理的に難しい場合でも実施可能であり、薬と有害事象の関連や、健康に悪いとされる曝露と予後の関連などは、観察研究によって検討されることが一般的です。
 ただし、ランダム化を行う事ができない観察研究では、治療を受けた(もしくは曝露のある)研究参加者と、対照集団の予後因子が異なることが珍しくありません。検討しているアウトカムに影響を与える予後因子の分布が、治療を受けた研究参加者と対照集団の間で異なる場合、強い交絡バイアスの影響を受けることになります。
 そのため、観察研究によって治療効果を推定する際には、交絡の影響に配慮した統計的手法が必要です。近年では、一般的な多変量解析だけでなく、傾向スコア(propensity score)を用いた統計手法も広く用いられています。この記事では、傾向スコアによる交絡補正の基本的な考え方と、傾向スコアを用いた解析方法のメリット方法論上の限界について解説します。

傾向スコアとはなんですか?

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