先日の記事では、被験者自身が「対照」となる代表的な研究デザインとして、ケース・クロスオーバー分析や、ケース・タイムコントロール分析などについて解説しました。
【参考】ケース・ケース・タイム・コントロール分析とは?
ケース・クロスオーバー解析では、コホート研究や症例対照研究では質の高い調整が難しかった交絡因子にも配慮できる可能性が高まります。しかし、検討できる曝露の特性が限られていたり、時間依存型の交絡に対する配慮が必要になるなど、いくつかのデメリットもありました。とりわけ、ワクチンの有効性の検討には不向きであり、被験者自身を対照とした分析を行う場合、Self-controlled case seriesと呼ばれる手法を用いることも解説しました。
この記事では、Self-controlled case seriesについて、ケース・クロスオーバー分析との違いを整理したうえで、研究デザイン上のメリットやデメリットについて解説します。