末期のがん患者をはじめ、余命が限られた状態にある人が、医療サービスとの接点を増やすことで生じる時間的損失を治療の時間的毒性(Treatment-related time toxicity)と呼びます。
入院期間のみならず、検査や投薬に必要な時間、診察の待ち時間など、その時間的損失は軽視できません。医療サービスには、限られた余命に直面している人から、生活にかかわる時間を奪ってしまう側面があります。
【参考】医療がもたらす時間的損失!?がん患者における時間毒性とは?
近年ではまた、医療技術の進歩とともに、薬物療法を含めた医学的ケアが高度・複雑化し、受療行動における患者コストも増加しています。
とりわけがん治療では、高額な免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬が使用されることも多く、患者に強いられる経済的な負担は、経済的毒性(financial toxicity)と呼ばれます。
今回の記事では、がん患者における経済的毒性について、その基本的な概念や予後に対する影響、実臨床で留意しておくべき事項を解説します。