観察研究でありながら、交絡の影響を受けない!?メンデルランダム化とは?【前編】

観察研究でありながら、交絡の影響を受けない!?メンデルランダム化とは?【前編】

【★★☆(中級)】メンデルランダム化による分析手法の概要と具体例

2023/12/6

目次
     観察研究において、曝露とアウトカムの関連性を検討する場合、曝露とアウトカムの両方に関連する交絡因子の存在が、因果推論を困難にさせます(交絡バイアス)。
     例えば、糖尿病と発がんの関連性を、コホート研究のような観察研究で検討したとしましょう。もし仮に、糖尿病を有病していない人に比べて、糖尿病を有病している人で、がんの発症リスクが2倍になるという結果が示されたとしても、「糖尿病はがんリスクを2倍に増やす」とは結論できません
     糖尿病を有病している人では、食事習慣や運動習慣などが偏っている可能性があり、これら要因が交絡因子となって、糖尿病とがんの関連性を過大に評価している可能性があるからです。
     ところが近年、交絡バイアスの影響を原理的に排除できる方法論として、メンデルランダム化と呼ばれる分析手法を用いた論文が増えてきました。今回は、前編と後編の2回に分けて、メンデルランダム化の概要や、具体的な研究例を解説します。

    メンデルランダム化を可能にさせたゲノムワイド関連解析

    匿名で質問やリクエストを送る

    ※登録・ログインなしで利用できます

    記事をサポートする

    記事をサポートする

    感謝・応援の気持ちのチップを送ることができます。 Medical Writing Worksの継続運営を支えましょう。

    ※登録・ログインなしで利用できます

    メールアドレスだけでかんたん登録

    • 新着記事を受け取り見逃さない
    • 記事内容をそのままメールで読める
    • メール登録すると会員向け記事の閲覧も可能
    あなたも Medy でニュースレターを投稿してみませんか?あなたも Medy でニュースレターを投稿してみませんか?