ランダム化比較試験において、介入効果を判定、もしくは観察を終了するためのアウトカムをエンドポイントと呼びます。ランダム化比較試験におけるエンドポイントの設計は、治療介入の効果を定義することと同義であり、研究デザインにおける最も重要な要素の一つです。
PROBE(prospective randomized open blinded end-point)デザインを採用したランダム化比較試験では、ソフトエンドポイントを複合アウトカムに含めると、研究結果の内的妥当性が損なわれます。
2000年代から議論され続けてきたPROBEデザインと内的妥当性の問題ですが、日本では同デザインを採用したランダム化比較試験が近年でも報告されています(例えば、Miyauchi, et al.2024; PMID: 38873793)。
今回の記事では、興梠貴英先生と山崎力先生が2009年に報告した、PROBEデザインの問題点に関する総説論文(Kohro&Yamazaki.2009; PMID: 19262468)の概要を解説したうえで、PROBEデザインを採用した臨床試験の現状と、その影響について考察します。