抗コリン作用を有する薬剤は、エリクン汗腺(汗腺)におけるアセチルコリンの作用を抑制することで、発汗量を低下させます。実際、抗コリン薬である医療用医薬品のプロパンテリン臭化物は、多汗症に対する保険適用があります。
発汗量が減るということは、夏季の屋外において、熱中症のリスクが高まるということでもあります。OTC医薬品でも、ブチルスコポラミン、ロートエキス、クロルフェニラミンなど、抗コリン作用を有する薬剤は少なくありませんよね。
今回は、抗コリン作用を有する薬剤と熱中症のリスクの関連性を整理したうえで、OTCの販売実務における具体的な対応を考察します。