動物実験に代表されるような基礎医学的な研究は、新薬や新規治療法の開発、疾病メカニズムの解明など、臨床的に重要な仮説形成に不可欠です。一方で、動物実験の結果を直ちに人に適用することは困難です。
生理学的な差異、遺伝的背景の違いはもちろん、環境要因の相違、疾患モデルの不完全性、薬力学や薬物動態学的なスケールの差異など、基礎医学と臨床医学の間には、大きなギャップが存在するからです。
動物実験から得られた仮説と実臨床における有用性は、どれほど一致するものなのでしょうか。今回の記事では、生物医学分野における動物実験と臨床研究の結果の一貫性、つまり仮説と検証の一致がどれほどの割合で生じ得るのかについて考察します。