「紅麹」成分を含むサプリメントと、その健康被害が注目を集める中にあっても、AmazonなどのECサイトなどでは、機能性表示食品の商品展開が盛んに行われています。その種類は豊富ですが、夜間の良質な睡眠をサポートするなどと言われている機能成分のL-テアニンは、ストレスの多い現代社会で働く人たちにとって、一定のニーズがありそうです。
アサヒグループ食品が行った健康意識に関するアンケート調査によれば、睡眠サポート食品市場は6年間で18.7倍に増加していることが報告されています。とりわけ2020年以降は、コロナ禍におけるセルフケア意識の高まりとともに、「睡眠」や「ストレス」対策に注目が集まり、2021年は前年比175%(市場規模見込み約281億円)と、成長が加速しました(アサヒグループ食品株式会社.2022.10.21)。
L-テアニンは、緑茶に含まれるグルタミン酸類縁体で、端的にはアミノ酸の一種です。緑茶を飲むと「ホッとする」なんて表現されることもあるかと思いますが、このホッとする作用はL-テアニンによってもたらされていると考えられているようです。
今回の記事では、夜間睡眠に対するL-テアニンの有効性について、最新の研究論文をレビューしてみたいと思います。