出版バイアスの評価、ファンネルプロットを眺めていても意味がない!?【前編】

出版バイアスの評価、ファンネルプロットを眺めていても意味がない!?【前編】

【★★☆(中級)】出版バイアスの本質とその評価手法

2024/3/22

目次
     出版バイス(publication bias)は、メタ分析の結果に影響する代表的なバイアスの一つです。医学雑誌も商業誌であり、研究結果に一定のインパクトがないと出版しづらいという傾向性が生じます。  一般的には、統計学的有意な差を認めなかった研究結果は出版されない傾向性が強いと考えられており、出版された論文の解析結果だけでメタ分析を行うと、統合結果を過大に評価する懸念が生じます。
     出版バイアスの影響を視覚的に評価するツールが、ファンネルプロット(funnel plot)です【図1】。メタ分析に組み入れられた個々の研究について、横軸にオッズ比などの効果量、縦軸にサンプルサイズや分散等の解析精度をプロットしたものです。  左右対称にプロットが散らばれば、出版バイアスが小さいと判断します。しかし、ファンネルプロットによる出版バイアスの評価妥当性には議論の余地も少なくありません。
    【図1】ファンネルプロットの例(Mathur, 2024; PMID: 38490665より引用)
     今回の記事では、ファンネルプロットによる出版バイアスの評価妥当性について考察したうえで、出版バイアスを評価するための新しい視点であるMeta-analysis of non-affirmative studiesについて、【前編】と【後編】に分けて解説します。

    出版バイアスの評価は軽視されている?

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