ダイエットなどを意識していないにも関わらず体重が減少することは、がんの診断を受けるリスクと関連していることが知られています(Nicholson BD, et al.2019. PMID: 31548272/Koo MM, et al.2019;PMID: 31704137)。
このような、予期せぬ体重減少とがんの関連性は、特にリンパ腫、原発不明がん、膵臓がん、胃がん、食道がん、肺がん、大腸がん、腎臓がんで高いことが知られています(Nicholson BD,et al. 2018;PMID: 29632004) 。
一方、がん以外の良性疾患においても、体重減少は起こり得ます。その意味では、予期せぬ体重減少は、疾患非特異的な兆候ともいえるでしょう。
そのような中、プライマリ・ケアにおける予期せぬ体重減少と、がんの診断精度に関する英国の研究結果がアップデートされ、2024年10月16日付でBMJ誌に掲載されました(Nicholson BD, et al.2024;PMID: 39414353)。
今回の記事では、予期せぬ体重減少とがんの関連性を整理したうえで、BMJ誌に掲載された論文をレビューしながら、その診断精度と研究結果を踏まえた推奨事項をまとめます。