ランダム化比較試験において、介入効果を判定、もしくは観察を終了するためのアウトカムをエンドポイントと呼びます。ランダム化比較試験におけるエンドポイントの設計は、治療介入の効果を定義することと同義であり、研究デザインにおける最も重要な要素の一つです。
一方で、被験者において実際に発生するアウトカムには、エンドポイントとして定義されたアウトカムから僅かに相違した「惜しかったアウトカム」も含まれています。そして、「惜しかったアウトカム」もまた、あらかじめ設定されたエンドポイントと同等か、それ以上に人の生活に影響を及ぼすことがあり得ます。
今回の記事では、ランダム化比較試験におけるエンドポイントを整理したうえで、「惜しかったアウトカム」の臨床的な意義を考察してみたいと思います。