日本では、100歳の祝い歳を百寿、108歳の祝い歳を茶寿、111歳の祝い歳を皇寿などと呼びます。一方、英語では100歳以上の人をセンテナリアン、105~109歳の人をセミスーパーセンテナリアン、110歳以上の人をスーパーセンテナリアンと呼ぶそうです。
2018年時点におけるセンテナリアンの世界人口は約50万人と推計されており、最も多い国は米国の83,000人で、日本は69,000人と、世界第2位です。ただし、人口10万人あたりのセンテナリアンは日本が最も多く53.9人であり、次いでフランスが28.9人となっています。
日本では、75歳以上の非センテナリアンよりも、センテナリアンの方が、人生最後の年の医療費が低い傾向にあることが報告されています(Nakanishi Y,et al.2021;PMID: 34739063)。このことはまた、センテナリアンの人では、非センテナリアンの人に比べて、重篤な疾病を罹患している期間が短い可能性を示唆しています。
つまり、100歳前後の人では、医療依存が低い状態で突然的に亡くなってしまう可能性があるということです。人間の寿命には生物学的な限界があり、その限界を超えた延命は困難なのかもしれません。今回の記事では、人間の寿命の限界点を検討した研究論文をレビューしてみたいと思います。