食習慣と健康状態の関連性を検討した疫学的知見は膨大です。むろん、極端な栄養不足にあれば、人は死の危険にさらされることでしょう。
一方で、公衆衛生の水準が高い現代日本においては、極端な栄養不足が集団的に恒常化するリスクは低く、多くの国民生活は飽食傾向にあるように思います。
とはいえ、サプリメントの有効性を検証したランダム化比較試験の多くは、健康状態に対して何ら影響を与えない可能性を報告しています(Fortmann, et al.2013; PMID: 24217421)。
そうであるのならば、バランスの良い食事などを心がけなくても良いのでしょうか。健康的な食事などといったものは、現代社会が作り出した幻想にすぎないのでしょうか。今回の記事では、バランスの良い食事について、「リスク分散」という視点から考察します。