紅麹サプリメントや糸ようじなど、何かと話題の小林製薬ですが、2024年9月25日に、「のどぬ~る鎮痛ドロップ」を、地区限定で新発売しました(小林製薬ウェブサイト)。
同社の「のどぬ~る」シリーズと言えば、薬液を綿棒で直接的に咽頭部に塗布する製剤や、咽頭部にスプレーするタイプの製剤が有名ですよね。これら製剤にはヨウ素が配合されており、その効能効果は、咽頭部の殺菌や消毒でした。
一方、のどぬ~る鎮痛カプセルという製品もラインアップされており、こちらはトラネキサム酸やイブプロフェンを配合することで、咽頭痛のみならず頭痛や腰痛にも効能効果を有しています。
今回、新しく発売されたのどぬ~る鎮痛ドロップには、トラネキサム酸やイブプロフェンは配合されていません。代わりに、局所麻酔薬として用いられるアミノ安息香酸エチルが配合されています。そのため、頭痛や腰痛に対する適用はありません【表】。
【表】「のどぬ~る鎮痛ドロップ」と「のどぬ~る鎮痛カプセル」の比較(Medical Writing Works作成)
のどぬ~る鎮痛ドロップの製剤添付文書には、使用しないことの項目に「メトヘモグロビン血症の診断を受けた人」、用法・用量の項目に、「15才未満は使用しないこと」との記載があります。
今回の記事では、咽頭痛に対するアミノ安息香酸エチルのエビデンスを整理したうえで、メトヘモグロビン血漿や、小児に使用できない理由を解説し、販売実務上の対応を整理します。