2023年8月、第一三共ヘルスケア株式会社は、ロキソプロフェンを配合したロキソニン外用薬シリーズから、温感タイプのロキソニンS温感テープ、および「ロキソニンS温感テープL(いずれも第2類医薬品)を発売しました(第一三共ヘルスケア.2023)。
同製品は、主成分であるロキソプロフェンに加えて、温感成分であるノナン酸バニリルアミドを配合した貼付剤です。
第一三共ヘルスケアは、ロキソニン温感テープの発売にあたって、事前にマーケティング調査を実施しています。
この調査によれば、外用鎮痛消炎薬を購入した人のうち約5人に1人が温感タイプを購入していることが分かりました。また、温感タイプを購入している人は、「効果の高さ」を期待していることに加え、「血行をよくしてくれる」などの効果も期待して使用する傾向にあることも分かりました。(PR TIMES.2023年8月22日)。
ロキソニン®に限らず、テープ剤や湿布剤などの外用鎮痛消炎薬は、主成分の鎮痛剤は同じでも、温感タイプと冷感タイプの2種類の製品がラインナップされていることが多いと思います。
しかし、温感製剤と冷感製剤の明確な使い分けや有効性の違いについて、適切な根拠に基づいて語られることは少ないのではないでしょうか。
今回は、外用鎮痛消炎薬の貼付剤について、温感製剤と冷感製剤の相違に関するエビデンスを整理したうえで、販売実務における両者の使い分けに関するロジックを考察します。