「認知症の早期発見と予防」といった見出しの記事を見かけることは多いと思います。一般的に病状の進行や病気の発生は、早期に発見して、早期に対応すれば予防できると考えられていますが、必ずしもそうではありません。そもそも、病状の予防という意味では、ワクチンに勝るものはありませんし、そういう意味では、人が予防できる病気と言えば、感染症くらいなものでしょう。
認知症についていえば、厚生労働省の公式ウェブサイトにも「早期発見・早期対応」と明記されており、その重要性を強調しています。しかし、本当に認知症の早期発見、早期対応は重要なことなのでしょうか。この記事では、高齢化社会では避けて通ることのできない認知症について、早期の発見や対応のメリット、デメリットについて、最新の研究論文を紐解きながら解説します。