需要が急増するGLP-1受容体作動薬、その潜在的な有害事象リスクは?

需要が急増するGLP-1受容体作動薬、その潜在的な有害事象リスクは?

【★☆☆(入門)】GLP-1受容体作動薬の消化器系有害事象と実務上の対応

2023/10/20

目次
     2023年7月28日、厚生労働省は「GLP-1 受容体作動薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」と題した通知を発出しました厚生労働省.2023。GLP-1 受容体作動薬の需要増に伴い、多くの製剤において限定出荷が生じているためです。同薬の需要増加は、美容や痩身、ダイエット等など、適用外でGLP-1受容体作動薬が使用されている事情も大きく関連しています。
     2023年8月には、日本イーライリリー株式会社がデュラグルチド注射製剤(トルリシティ®)に関する案内文書において、同薬の効能又は効果は「2 型糖尿病」であり、適応外で使用された場合には、本来の効果が見込めないだけでなく、思わぬ健康被害が発現する可能性も想定される、と注意喚起を行っています日本イーライリリー.2023。同文書ではまた、真に必要な患者へ少しでも多く供給できるよう、適応外使用(美容・痩身・ダイエット等)は厳に控えるよう強調されていました
     強い減量効果が期待できるチルゼパチドもまた、その発売直後から流通状況が悪化しており、2023年7月18日より限定出荷が開始されています。セマグルチドについても、2023年8月より限定出荷が開始されており、GLP-1受容体作動薬の流通悪化は、まさにドミノ倒し様相となっていますノボノルディスクファーマ株式会社.2023。このような事態の早期解決のためにも、不適切な適応外使用に伴う健康被害や、不適切使用の実態を正確に把握する必要性があるように思われます。
     この記事では、GLP-1受容体作動薬の潜在的な有害事象について、最新の研究論文をレビューし、実務上の対応を整理します。

    減量目的のGLP-1受容体作動薬と有害事象

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