「学校給食がわびしすぎる」と言った趣旨の発言が、ソーシャルメディアを中心に注目を集めているように思います。週刊誌メディアでも『「わびしすぎ!」「戦後か」の声も…物価高騰で学校給食のメニューが減少、量も半分の現実』といった見出しの記事が掲載されていたようです(週刊女性PRIME. 10/18(水) 6:02)。
インターネット上では、いくつかの「わびしい給食」の写真が投稿されていますが、奈良市のウェブサイトに掲載された12月の給食紹介(奈良市産米のわかめ麦ごはん)はその一つです。
写真を拝見した率直な意見として、個人的には質素で物足りない印象はあります。とはいえ、これは筆者の感想にすぎません。この給食を実際に見たわけでも、食したわけでもありません。インターネット上では、「社会保障費の増大で給食費が削られている」、「育ち盛りの学童にとって、栄養が全然足りない」などといった主張も見かけますが、はたして真実なのでしょうか。
これらの意見の多くは、給食を食する機会がほとんどないと思われる成人の主張であり、見た目の印象を語っているにすぎません。食事の摂取量には個人差がありますし、給食の写真のみから「わびしさ」を評価することは困難です。ましてや、栄養士でもない素人が「育ち盛りの学童にとって栄養不足」と結論することは飛躍しすぎでしょう。もし仮にそうであるならば、客観的な事実ベースで批判をすべきです。
この記事では、学校給食の「量」や「質」に関する事実を整理したうえで、学童の健康状態に対する学校給食の影響を考察します。