ストロングクラスのステロイド外用剤を顔の皮膚に塗ってもよい?

ストロングクラスのステロイド外用剤を顔の皮膚に塗ってもよい?

市販薬(OTC医薬品)を語るためのエビデンスとロジック

2024/6/9

目次
     佐藤製薬株式会社が、ステロイド外用剤「ベトノバールS軟膏」、「ベトノバールSクリーム」、「ベトノバールSローション」(の3製品を、2024年5月15日付で新発売しました佐藤製薬.2024。  いずれも指定第2類医薬品に該当するベトノバールSシリーズは、ベタメタゾン吉草酸エステルを主成分として配合した湿疹・皮膚炎の治療薬です。ベタメタゾン吉草酸エステルは、ストロングクラスに分類されるステロイドであり、OTC医薬品の中では最も強い抗炎症作用を期待できます【図1】。
    【図1】ステロイド外用剤の強さとベトノバールSの位置づけ(公式ウェブサイトより引用)
     また、ベトノバールSシリーズは、患部の場所や状態に合わせて、軟膏、クリーム、ローションの3つの剤形から選ぶことができます。
    【図2】佐藤製薬のベトノバールSシリーズ(公式ウェブサイトより引用)
     ベトノバールSシリーズの製剤添付文書において、特筆すべき事項は必ずしも多くありません。ただし、「顔面には,広範囲に使用しない」との禁忌項目が設定されている点には注意が必要です。
    ■してはいけないこと (守らないと現在の症状が悪化したり,副作用が起こりやすくなります) 1.次の人は使用しないでください 本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人。 2.次の部位には使用しないでください  (1)水痘(水ぼうそう),みずむし・たむし等又は化膿している患部。(2)目,目の周囲 3.顔面には,広範囲に使用しないでください 4.長期連用しないでください
     同禁忌項目について、「狭い範囲であれば使用しても良い」といった解釈も可能ですが、OTC販売の実務においては、顔面に対するステロイド外用剤の使用は、原則的に避けた方が良いように思います。  今回の記事では、顔面に対するステロイド外用剤のリスクを整理したうえで、販売実務のロジックをまとめます。

    OTCのステロイド外用剤はどんなふうに使われている?

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