色彩は、僕たちの日常に不可欠な要素であり、居住地、年齢層、性別などのさまざまな人口統計的要素に対して異なる意味をもたらすことが知られています(Ou, et al.2004;doi:10.1002/col.20047/Güneş, et al.2020;doi: 10.1002/col.22443)。
あらためて考えるまでもなく、感情の機微、行動様式、意思決定の判断基準まで、僕たちは色の影響を絶えず受け続けています。色はまた、僕たちの消費行動において重要な役割を果たしており、一般的に消費対象となる製品評価の60%~90% は色に基づいているといわれています(Gopikrishna&Kumar.2015)。
色彩がもたらす心理的な影響については、食品や飲料のパッケージ、衣類などのデザインなど、様々な分野における市場調査に応用されています(Aslam,2006;doi: 10.1080/13527260500247827)。
色彩は大きく、暖色系統と寒色系等に分類することができます。Torresらの報告によれば、部屋のインテリアを暖色で統一すると、高い覚醒レベルに関連する一方で、寒色で統一すると低い覚醒レベルと関連することが示されています(Torres ,et al.2020;doi: 10.1016/j.foar.2020.06.002)。
薬の色もまた、その効果に影響を与える可能性があります。あるいは、プラセボ効果の発現の仕方が、薬の色の影響を受けるといった方が正確かもしれません。この記事では、薬の色がもたらす薬剤効果や服薬アドヒアランスへの影響についてレビューします。