【重要】 ※ご利用者さまに向けて、重要なお知らせを11月11日付で公開しております。本文をお読みになる前に、お目通しいただけましたら幸いです。https://syuichiao.medy.jp/p/30740f60-4956-46cd-a25e-15459db82f51
薬物療法など、治療的介入に対する副作用の不安から、薬理学的な作用機序とは無関係に発生する健康問題をノセボ効果と呼びます(Colloca L, et al.2011;PMID: 21862825)。
治療に対する期待感が、健康状態に良い影響をもたらすプラセボ効果に対して、ノセボ効果は治療に対する否定的な感情が、健康状態に悪影響をもたらす現象といえるかもしれません。
ベンゾジアゼピン系薬剤は、不眠症状に対する対症療法的な薬剤であり、薬理学的作用機序に基づく直接的な薬剤効果に加え、プラセボ効果の余地も大きいように思います。しかしながら、同薬は潜在的な有害事象リスクも軽視できず、可能であれば減薬をすることが望ましいと考えられています。
ベンゾジアゼピン系薬剤のように、対症療法的な薬剤の減薬介入で問題となるのが、離脱症状を含めた病状の再燃・再発です。しかしながら、病状の再燃・再発は、必ずしも処方薬の減薬に伴う直接的な影響のみで発生しません。減薬に対する否定的な感情からノセボ効果の発生余地があるということです。その意味で、ベンゾジアゼピン系薬剤の減薬介入の評価においては、ノセボ効果に対する配慮が必要となるでしょう。
今回の記事では、処方薬の減薬介入に関連するノセボ効果の影響を考察したうえで、同効果に配慮した減薬介入の方法論と、その効果を整理します。