胆石を誘発する薬剤としては、セフトリアキソンが有名かもしれません(Nayak&Slivka, 2014; PMID: 26157864)。セフトリアキソンは胆道から排泄される薬剤であり、胆囊内においてカルシウムと結合することで偽胆石を生じることが知られています。
高トリグリセリド血症に用いられるフィブラート系薬剤もまた、胆石の形成を促す可能性が指摘されています(Michielsen, et al.1992; PMID: 1536697)。
実際、ペマフィブラート、フェノフィブラート、クロフィブラートにおいて、胆石もしくはその既往がある患者、胆のう疾患のある患者は、添付文書上の禁忌に該当しています。一方、ベザフィブラートには胆石や胆のう疾患に対する禁忌項目は設定されていません【表1】。
【表1】フィブラート系薬剤と胆石もしくは胆のう疾患に関連した禁忌項目
今回の記事では、フィブラート系薬剤と胆石の発症リスクについて、同薬の標的受容体であるPPARと、そのサブタイプ選択性という観点に着目しながら、文献的な考察をしてみたいと思います。