健康リスクの「数学化」と、服薬アドヒアランスに対する影響

健康リスクの「数学化」と、服薬アドヒアランスに対する影響

【★☆☆(入門)】薬剤クラス間における服薬アドヒアランスの相違と健康リスクに対する関心

2024/10/30

目次
     高血圧や脂質異常症、糖尿病などの慢性疾患は、心血管疾患の危険因子として知られています。また、これら疾患を合併している人の割合は決して低くありません。  心血管リスクを厳格に管理する上では、食事や運動等の生活習慣の是正に加え、降圧薬やスタチン系薬剤、SGLT2阻害薬などの、心血管疾患予防薬(以下、心血管用薬)の服用が有用だと考えられています。
      一方で、心血管用薬の服薬アドヒアランスは、必ずしも高くありません。ただし、服薬アドヒアランスに関するこれまでの研究は、単一疾患患者を対象とした研究が多い上、薬剤カテゴリーごとの服薬アドヒアランスの差異に着目した検討は限定的でした。
     そのような中、複数の慢性疾患を有する日本人を対象に、心血管用薬の服薬アドヒアランスを調査したコホート研究の結果が報告されました(Matsumoto M, et al.2024. PMID: 39145400)。  今回の記事では、本研究の結果に基づき、薬剤カテゴリーごとの服薬アドヒアランスの差異に着目しながら、健康リスクに対する関心の向け方について考察したいと思います。

    薬物治療に対する関心の度合いとhealthy adherer effect

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