処方機会が増加しているオレキシン受容体拮抗薬、その薬物相互作用リスクは?

処方機会が増加しているオレキシン受容体拮抗薬、その薬物相互作用リスクは?

【★☆☆(入門)】オレキシン受容体拮抗薬とCYP3A4関連の薬物動態学的相互作用

2024/2/2

 ベンゾジアゼピン系薬剤の潜在的な有害事象に関心が集まる中で、同薬の処方量は減少傾向にあります。一方で、オレキシン受容体拮抗薬の処方量は急速に増加していることが報告されています(Okuda, et al.2023; PMID: 37081408)【図1】。
【図1】JMDCレセプトデータベースを用いた催眠鎮静薬の処方動向[n=516,21人](Okuda, et al.2023; PMID: 37081408よりMedical Writing Works作成)
 2023年末には、ダリドレキサントの承認申請が行われており、スボレキサント、レンボレキサントに続く、新規オレキシン受容体拮抗薬として注目が集まっていました。
【新薬レポート】デュアルオレキシン受容体拮抗薬のダリドレキサント、不眠症に対する効果は?
 ベンゾジアゼピン系薬剤と比べて、安全性が高いと認識されがちなオレキシン受容体拮抗薬ですが、CYP3A4を阻害(もしくは誘導)する薬剤との相互作用が懸念されます。特に、スボレキサントは、CYP3A4に起因する相互作用を理由に、複数の併用禁忌剤が設定されています。
 この記事では、オレキシン受容体拮抗薬の薬物相互作用に関する論文をレビューし、相互作用リスクにおけるスボレキサントとレンボレキサントの違いについて考察します。

スボレキサントの投与で懸念される薬物相互作用

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