あっという間に3月が終わってしまい、新年度が始まりました。スギ花粉の飛散はピークを越えたかと思いますが、ヒノキ花粉の飛散は4月中旬にかけて増加することが一般的です。
そのような中、X(旧Twitter)上では抗ヒスタミン薬の効果を比較したマトリックス図が散見されます。横軸を眠気の程度、縦軸を花粉症に対する有効性とし、4象限の中に様々な種類の抗ヒスタミン薬をプロットするマトリックス図です。
著作権に配慮し、マトリックス図を直接引用することは避けますが、X上を「抗ヒスタミン薬」という単語でメディア検索してみると良いかもしれません。
Xでポストされていたマトリックス図の概要を整理すると【図1】のようになります。眠気の強さと花粉症に対する有効性(効き目)が相関しており、眠気が出やすい抗ヒスタミン薬ほど、高い有効性が期待できるポジショニングが一般的のようです。逆に言えば、眠気の少ない抗ヒスタミン薬では高い有効性が期待できない傾向が図化されています。
【図1】「全く根拠ないけどみんな大好き抗ヒスタミン薬のマトリックス図」の傾向性
とは言え、そのような傾向性に科学的な根拠は存在するのでしょうか。今回は「全く根拠ないけどみんな大好き抗ヒスタミン薬のマトリックス図」の妥当性を検証したうえで、アレルギー性鼻炎(花粉症)に対するOTCの抗ヒスタミン薬に関する販売ロジックを整理します。