ランダム化比較試験における二重盲検法は、被験者と治療者の双方に対して、治療群と対照群の割り付け情報を開示しない手続きを指すことが一般的です(Schulz, et al.2002; PMID: 11879884/Devereaux, et al.2001; PMID: 11308438)。しかしながら、ランダム化比較試験の立案から遂行、最終解析に至るまでに関わる人は、被験者と治療者だけではありません。
単に、「二重盲検」と言った場合、研究に関わっている人のうち、どんな集団を盲検化したのかについて曖昧です。また、ランダム化比較試験の内的妥当性という観点からすれば、被験者と治療者の2者だけを盲検化すれば良いわけではないでしょう。この記事では盲検化の定義をめぐる問題や、二重盲検法を採用することの限界など、ランダム化比較試験における二重盲検法のピットフォールについてレビューします。