次世代mRNAワクチン、すなわちレプリコンワクチンに対する安全性の懸念として、シェディングと呼ばれる概念に注目が集まっています。
一般社団法人日本看護倫理学会が「新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンへの懸念 自分と周りの人々のために」と題した声明を公開し、シェディングの問題に強く言及していることは過去の記事でも紹介しました。
【参考】新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンへの懸念に対する懸念!? https://syuichiao.medy.jp/p/f6a482ba-9704-4ae6-88b6-20641095ee43
なお、同声明においてシェディングの定義は明確にされていませんが、「レプリコンワクチンが「自己複製するmRNA」であるために、レプリコンワクチン自体が接種者から非接種者に感染(シェディング)するのではないかとの懸念があります」と記載があるように、ワクチンに含まれているレプリコン(単一の複製起点から複製されるDNA分子またはRNA分子)が、ワクチン接種者から非接種者に伝播することを意味していると思われます。
一般的に、シェディングとはウイルス排泄(viral shedding)を意味する語であり、感染した人の体内でウイルスが複製され、体外に放出される過程にほかなりません。むろん、その放出経路は呼吸器系(咳やくしゃみ)、消化器系(便)、体液(血液、唾液、尿など)などです。
ちなみに、SARS-CoV-2ウイルスの排出は、症状発現または診断から5日以内にピークに達することが知られており、0%に達するまでの期間は症状発または診断から10~17日です(Oordt-Speets AM,et al.2024. PMID: 38547496)。
ワクチンの接種者はウイルス感染者ではありませんので、そもそもシェディングという概念を適用することは難しいように思います。あえて、同現象を言語化するのであれば、「ワクチン成分のシェディング」となるでしょうか。
今回の記事ではワクチン成分のシェディングに言及した論文(Armas F, et al.2023. PMID: 36584425)をご紹介し、同現象の実在を考察したいと思います。