潜在的な薬物有害事象リスクの高い薬剤として、NSAIDsを挙げることができます。実際、カナダの地域薬局で実施されたD-PRESCRIBE 試験(Martin P, et al.2018 ;PMID: 30422193)において、減処方介入の対象薬剤として、ベンゾジアゼピン系薬剤のような催眠鎮静薬、第一世代抗ヒスタミン薬、グリブリド、そしてNSAIDsの4クラスが設定されていました。
一方、NSAIDsは疼痛の緩和に用いる薬剤であり、生活との接点が極めて広い薬剤でもあります。NSAIDsで緩和されていた疼痛が、減薬によって再燃することは、生活の質を低下させる大きな要因となるでしょう。
今回の記事では、NSAIDsの処方をめぐる潜在的な不適切性、および同薬の減処方介入に対する臨床的な意義について、文献的な考察を行いたいと思います。