ベンゾジアゼピン系薬剤(以下、BZD)は、不眠症状が身近な健康問題であること、患者自身が薬効を実感しやすいことから、プライマリケアでも処方頻度の高い薬剤の一つです。一方で、同薬には常用量依存や潜在的な有害事象のリスクが懸念され、近年では積極的な減処方の対象として注目を集めています。
ただし、BZDに対する減処方介入の効果を検証した質の高い研究は多くありません。同薬との関連性が指摘されている有害事象群が明確に予防できるかどうか、詳しいことはよくわかっていないのです。
今回の記事では、BZDの中止がもたらす精神面への影響を検討した研究論文をご紹介し、同薬の中止と心理的なベネフィトの関連性ついて考察してみたいと思います。