クラシエ薬品株式会社は、「クラシエの漢方かぜシリーズ」から竹葉石膏湯エキス顆粒クラシエ(第2類医薬品)を、2024年8月20日より発売しています。
同薬は、から咳や気管支炎の症状に対する緩和効果を謳っており、咳の悩みに対する消費者ニーズを細分化し、ニッチ分野に特化することで付加価値向上を図った製品と言えるかもしれません。
竹葉石膏湯は、麦門冬湯から大棗を除外し、竹葉、石膏を加えた方剤であり、熱感もしくは炎症のある乾燥した咳、つまり空咳に適した処方だと考えらえています。竹葉、および石膏は、寒性の性質があると考えられており、東洋医学では熱を冷ます作用(清熱)を期待して用いるそうです。
また、竹葉には上衝する気(「気」が頭の方に登っていくこと)を引き下げる働きがあるとされ、 石膏には消炎、口渇を改善する働きがあるとされています。
一般的に、竹葉は石膏の補助として、熱性疾患後期の余熱を冷ますために用います。つまり、竹葉石膏湯は、気道を潤して、炎症を鎮める作用が期待できることから、空咳が良い適応となっているわけです(小太郎漢方製薬株式会社. 漢方処方解説. 竹葉石膏湯)。
クラシエ薬品株式会社では、竹葉石膏湯の効果に関する東洋医学的解釈について、「秋冬の季節を迎え、乾燥が気になる時期の咳症状に最適」と表現することで、プロモーション活動を展開しています(クラシエ薬品株式会社.2024.8.20)。
今回の記事では、咳嗽に対する竹葉石膏湯の有効性について考察したうえで、漢方医学の現状と課題に関するロジックを整理します。