解熱鎮痛薬は、僕たちの日常生活にとって、最も身近な医薬品の一つと言えるでしょう。解熱鎮痛薬を処方された2,042,302人を分析した研究によれば、最も処方頻度の高い解熱鎮痛薬(NSAIDs)はロキソプロフェン(ロキソニン®他)であり、その処方割合は32.5%を占めました(Ushida T, et al. 2019 PMID: 31422709)。
ロキソプロフェンを主成分とするOTC医薬品は、その種類も豊富であり、ブランド品(先発品)であるロキソニン®にも、多様な製品ラインアップが存在します【表1】。
【表】OTC医薬品として入手可能なロキソニン®の製品ラインアップ
※Medyのサーバ障害のため8月末まで画像が適切に表示されないようです。ご迷惑をおかけいたします。ロキソニン🄬シリーズの製品ラインアップは以下のURLをご参照ください。 https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/assets/pdf/loxonin_naifuku_lineup.pdf
OTC医薬品として入手可能なロキソニン🄬は、解熱鎮痛成分のロキソプロフェンを中心に、制酸剤であるマグネシウム製剤を配合したり、婦人科領域の疼痛に特化した有効成分を配合したりと、製品ごとの特色を際立てることで、ダブルブランド戦略を展開しています。
配合成分の種類が最も多く、その商品名から最も鎮痛効果の高いイメージがある「ロキソニン®Sプレミアム」には、ロキソプロフェンの他に、鎮静成分としてアリルイソプロピルアセチル尿素、鎮痛補助成分として無水カフェインが配合されています。また、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合することで、胃に対する負担が軽減されるなどと謳われています。
今回は、ロキソニンsプレミアムに注目し、他のロキソニンシリーズや、ロキソプロフェンのみを配合したOTC医薬品と比べて、有効性や安全性に優れているのかどうかを検討してみたいと思います。