注目が集まる抗アミロイド抗体薬!アルツハイマー病の治療前提となるアミロイド仮説は科学的真理と言える?

注目が集まる抗アミロイド抗体薬!アルツハイマー病の治療前提となるアミロイド仮説は科学的真理と言える?

【★☆☆(入門)】アルツハイマー病の発症メカニズムをめぐる理論仮説の妥当性

2024/8/5

目次
     日本イーライリリー株式会社のプレスリリースによれば、N3pG Aβ(N 末端第 3 残基においてピログルタミル化されたアミロイドβ)に対する遺伝子組換えモノクローナル抗体のドナネマブが、早期アルツハイマー病の治療薬として、米国食品医薬品局に承認されました日本イーライリリー株式会社.2024年7月5日
     ドナネマブは、アミロイドβを標的としたアルツハイマー病の治療薬です。Aβ凝集体のプロトフィブリルに作用するレカネマブに対して、ドナネマブはピログルタミル化されたアミロイド斑に作用します。
     レカネマブやドナネマブのような抗アミロイドβ抗体薬は、アミロイド仮説と呼ばれる理論に基づいて開発された薬剤です。アミロイド仮説は、アルツハイマー病の発症メカニズムに関する合理性の高い理論仮説といえますが、絶対的な正しさが検証された理論ではありません
     歴史を振り返れば、天動説から地動説への転回ニュートン力学から相対性理論への転回など、有力な理論仮説が新しい理論仮説に置き換わった事例はいくつも見出すことができます。  生物医学的な探求の進歩によって、アルツハイマー病の発症を合理的に説明する(現象を救う)仮説が新たに生み出される可能性も十分に考えられます。その時、抗アミロイドβ抗体薬の存在意義は少なからず揺らぐことになるでしょう。
     今回の記事では、アルツハイマー病という現象をアミロイド仮説がどれだけ救っているのか同仮説の合理性について考察してみたいと思います。

    アルツハイマー病の発症をめぐる理論仮説

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